投資物件を購入後、その物件を管理していくにあたり、自ら管理を行うか、管理会社にお願いするになってきますが、管理の行うにあたっての様々なリスクを考えると管理業務を生業にしている管理業者に任せることが望ましいと思います。
今回、管理を管理会社に委託した場合に関して、管理会社が行う業務、手数料等の流れについてお話ししたいと思います。
初期費用
通常、入居者が賃貸物件を契約する際にかかる初期費用は主に以下のようなものがあります。
・礼金
・敷金
・仲介手数料
・家賃(前家賃)
・保証料
・保険料
これらの費用を支払うのは、入居する契約者の負担であることはわかります。
では、それぞれの費用は誰に支払うか分かりますか?
それは、以下の通りです。
項目 | 支払う人 | 受取る人 |
礼金 | 賃借人 | 賃貸人 |
敷金 | 賃貸人 または オーナー | |
仲介手数料 | 仲介手数料 | |
家賃 | 賃貸人 | |
共益費 | 賃貸人 | |
保証料 | 保証会社 | |
保険料 | 保険会社 |
上記を見ると、契約者が管理会社に支払うべき費用はここで発生することはありません。
*敷金に関しては、契約者の預かり金として、管理会社がオーナーに変わり預かることはあります。
では、管理会社はどこで収益を上げているかというと、オーナーからの業務委託料から収益を上げています。
空室物件を決めた際の業務委託手数料
項目 | 支払う人 | 受取る人 |
業務委託手数料 | 賃借人 | 管理会社 |
広告料 | 仲介会社 |
なお、契約者から入る礼金がない場合でも、業務委託手数料は発生します。例えば、礼金が0の場合でも、オーナーは1ヶ月分の業務委託手数料を支払う必要があります。
また、広告料とは、なかなか物件が決まらない場合に、オーナーが物件と決めてきてくれた仲介会社に支払う手数料です。仲介会社は、入居者より直接仲介手数料をもらっていますが、広告料をオーナーから貰えることで、その物件を優先的に案内してくれます。ただ、最終的に物件を決めるのは入居者なので、広告料を出すと言ったからといって、決まるわけではありません。
管理会社の募集業務
管理会社は、空室を決める、契約を行うために様々な業務を行っています。
- 物件のリフォーム
- 市場調査を行っての賃料査定
- 図面作成
- ポータルサイト(ホームページサイト)での広告
- 写真撮影
- 入居審査
- 賃貸借契約締結
- その他物件を決めるための様々な業務
これらの様々な業務を遂行するにあたり、管理会社は、仲介会社、保証会社、オーナーとのやり取りを行っていきます。
上記の業務をオーナー自ら行うことは難しいので、実際には不動産会社に委託することになります。
ただ、上記の空室物件を決めるためだけであれば、管理委託契約を締結する必要はなく、空室物件を決めるための業務委託(媒介契約)を取り交わせば、不動産会社はしっかりと動いてくれます。(物件を仲介するだけなので、いわゆる「仲介会社」との契約となります)
管理会社の管理業務
実際に空室が埋まったからあとは自分自ら管理を行うにも管理には以下のような業務があります。
- 修理、修繕の対応(入居者からの状況確認、修理業者手配(複数社の時もあり)、見積もり、現地訪問)
- クレームの対応(入居者からの状況確認、近隣とのコンタクト、書面作成、修理業者手配)
- 家賃の集金業務(定期的な入金確認、家賃の消し込み)
- 家賃未払いの場合の督促業務(督促電話、訪問、書類作成、保証会社とのやり取り)
- 更新業務(書類作成、更新契約、保険更新の手続き)
- 解約業務(解約立会い、解約清算、修理業者手配)
- その他、物件維持のための業務(消防点検、受水槽清掃、エレベーター点検、定期清掃等の手配)
管理業務は、定期的な業務を行いながら、突発的な案件(トラブル)も頻繁に起きます。
分譲マンションの一室であれば、オーナー自主管理も可能ですが、一棟マンション、アパートとなると管理会社にその全ての管理を委託した方が、オーナーにとっても、入居者にとっても、最良な道といえます。
管理管理手数料
管理会社に管理を委託した場合は、通常家賃の5%前後が管理委託手数料としてかかります。
項目 | 支払う人 | 受取る人 |
管理委託手数料 | 賃貸人 | 管理会社 |
例えば、10万円の部屋が10戸あると、
・満室であれば、10万円×10戸=100万円
→100万円×5%=5万円
・1戸空室であれば、10万円×9戸=90万円
→90万円×5%=4.5万円
の管理手数料がかかります。
管理手数料が安いからとの理由で管理会社を探すと、しっかりとした管理を行ってくれないかもしれません。
(もちろん、中には安い管理手数料でしっかりとした管理を行ってくれる管理会社もいますが、規模が大きくなると、少なくとも5%くらいの管理手数料がないと管理会社も満足いく管理を行うことはできません)
まとめ
最良のパートナーを見つけるには、直接管理会社と面談を行い、どのような管理を行ってくれるのかはもちろんのこと、定期的な物件レポート(定期巡回、修理クレーム等)などの帳票類の確認、募集方法や審査、督促の具体的な対応などしっかりと確認した上で、自分の数億、数千万の物件を管理させても安心という管理会社を見つけることが大切です。
不動産投資の成功の道への第一歩は、最良の不動産管理会社というパートナー探しから始まります。