120年ぶりの大改正 民法の極度額について考える

不動産

民法改正がいよいよ今年4月1日より施行されることになり、不動産業界では民法改正における業者勉強会があちこちで頻繁に行われています。

今日は、120年ぶりの民法改正の「極度額」に関してお伝えしていきたいと思います。

極度額の相場

今回の民法改正によって、賃貸借契約を個人の連帯保証人が引き受ける場合において、保証の限度額を予め定めていなければ、保証契約が無効になってしまいます。

この極度額とは、保証人が負う債務(契約者の未払い賃料、原状回復費用、損害賠償金額)の上限額のことです。例えば、極度額を予め100万円と定めていれば、連帯保証人は100万円を上限に保証しなければなりませんが、100万円を超える債務に関しては保証する必要はありません。(今までは、根保証だったので、その上限がありませんでした)

今回の民法改正において、多くの不動産会社が最も不安に感じている項目はこの「極度額」に関してです。

これから始める「極度額」の設定ですので、そもそも相場というものがなく、一体どれくらいが目安なのかと戸惑う不動産会社もたくさんいます。

極度額が高額になる場合は、暴利行為又は消費者契約法に抵触する危険性を考慮して、極度額の範囲を決定していく必要があるとも言われていますが、そもそもその額がいくらのことを言うのかがわかりません。

ここで参考としたいのが、全国の不動産会社がこれから施行される民法改正の保証人の「極度額」についてどのくらいの額を想定しているのかの情報です。

一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会が全国の627社の管理会社に事前確認したところ、最も「極度額」として多かったのが、24か月という数字でした。次に多かったのが、12か月、その次が6か月です。

24か月を限度額と予定している不動産会社にしたら、12か月、6か月を予定している場合の2倍〜4倍の開きがありますので、それこそ、暴利行為又は消費者契約法に抵触する危険性があるのではと考えてしまいます。

結論

 

これは私個人の考えですが、「極度額」として定めた方が良い金額はズバリ24か月です!

その根拠は以下の2つにあります。

平均 13.2か月

1つ目は、裁判所の判決において、契約者の滞納家賃等を連帯保証人の負担として確定した金額は平均で家賃の13.2か月であったとの国土交通省の調査結果が出ていることです。平均が13.2か月なので、その平均を超える案件も事実あることを考えると24か月は決して高い極度額とは言えません。

保証会社利用

2つ目の理由としては、「保証会社」との極度額のバランスです。

賃貸借契約の連帯保証人の極度額を設定する際に、保証会社と同じ極度額に合わせる必要があります。

保証会社を利用する場合、利用しない場合、またそれぞれに付随する連帯保証人の有無のパターンを考えると以下の6つになります。

賃貸借契約において連帯保証人を求めていないのであれば、そもそも極度額について考える必要はありません。問題は、パターン6のケースの賃貸借契約及び保証会社の保証契約において共に連帯保証人と取るケースです。

 

保証契約上の置ける保証の範囲を24か月としている保証会社が多く、保証会社はこの24か月をベースに極度額を24か月に合わせてくると思います。(少なくとも12か月以下とはしないと思います)

賃貸借契約の極度額が12か月、保証会社の極度額が24か月となると、極度額に相違が出てくるので、混乱が生じます。

そのため、限度額が多い保証会社に合わせた方が無難です。

2つの理由

・判決の結果、連帯保証人の債務の平均が13.2か月である事
・保証会社の極度額に合わせる事

これらか始める新民法で、まだまだ手探りの部分もありますが、しっかりと改正民法を勉強して、根拠を持って(自分が腑に落ちて)対応する事が大切です。

注意すべきこと

極度額の表記に関しては、賃料の●ヶ月とするのではなく、

・*****円

或いは

・当初契約賃料の●ヶ月

との表記にする必要があります。

なぜならは、更新を機に、賃料が増減する可能性があります。その際の賃料とは増減した賃料という事になり、連帯保証人と再度保証契約を締結する必要がでてきます。
(その際、保証契約を拒否されるのも困ります)

そのため、金額を明記するか、●ヶ月と表記する場合は、枕詞に「当初契約賃料の」を必ず加える必要です。

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