一昔前までは、賃貸物件を借りる際には、連帯保証人(この場合、親や兄弟が多い)を付けていましたが、 今では、連帯保証人を付けるのではなく、保証会社に加入してもらうことが多くなってきました。
今日のテーマは、「保証会社」についてです。
保証会社が生まれた背景
その背景には、不動産管理会社が、
- 督促する手間が大変(電話、督促状作成発送、訪問、内容証明作成・・・)
- 滞納家賃が回収できない
と言う事情から、督促業務をアウトソーシングし、家賃の取りっぱぐれもない、保証会社を利用するニーズが15年ほど前から徐々に高まってきました。
一方で、入居する側も入居者が学生や新社会人ならいざ知らず、年齢が30代を超えてくると連帯保証人を付けるよりも、保証会社に加入する方が気楽というニーズもあります。
双方のニーズが相まって、賃貸物件を借りる際には、保証会社加入が一般的になっています。
そんな中、オーナーや管理会社の一部では、「連帯保証人を付けれないような人は信用できない!」との認識を持っている方がいますが、オーナーや管理会社にとって、入居者が保証会社に加入してもらうメリットは大きいです。
保証会社のメリット
各保証会社によって保証範囲は異なりますが、大まかな保証範囲としては
- 家賃
- 退去時の原状回復費用
- 更新料
- 短期解約違約金
- その他
を保証してくれます。
なかには、入居者がお亡くなりになった場合の室内の原状回復を保証してくれる保証会社もあります。これは、超高齢化社会を迎える今日において、この原状回復を保証してくれるのは、オーナーとしては、大変ありがたいことです。
2つの保証会社のタイプ
保証会社を利用した場合、家賃の振込方法が2通あります。
事故報告型
事故報告してから、保証会社が3日〜1ヶ月以内に保証してくれます。
賃貸借契約で定められた家賃の支払い約定日までに家賃の入金がない場合、保証会社に入金がない旨の「報告」をする必要があります。その報告を持って保証会社は、保証契約書に従って、滞納している入居者に変わり、オーナーに家賃を保証してくれます。
収納代行型
入居者からの振込があろうとなかろうと、保証会社より当月の25日〜末日に予め指定された口座に振込されます。収納代行型の場合、事故報告の必要はなく、保証会社が保証契約に基づき家賃を送金してくれます。
この場合、入居者は、保証会社に家賃を支払い、保証会社からオーナーや管理会社に家賃が支払われることになります。
例えば、10部屋全てを収納代行型で保証契約していたら、10部屋分まとめて家賃送金されますので、通帳の確認など1度で済むので、オーナーにとってはメリットも大きいと言えます。
ただ、メリットも大きい反面、保証会社の倒産という大変大きなリスクもあります。
入居者は保証会社に家賃を支払った→保証会社が倒産→オーナーに家賃が送金されない。実際に 今から13年前に当時保証会社最大手のリプラスが倒産された時には、45万件もの賃貸物件が被害を被りました。
保証会社にもリスクがある
保証会社は前述した通り、数多く存在します。
たくさんある保証会社の中で、倒産しない会社をどのように選択するかがポイントとなります。
一つの目安としては、
企業母体(資本金、従業員数、営業所数、営業年数)を見ていく方法がありますが、これも何を基準として良しとするのかもいまいち明確ではありません。
現に、最大大手のリプラスも倒産しました、、、
そこで、もう一つの目安として、その保証会社が審査基準をどのように設けているかがポイントになってきます。
- 審査が厳しい保証会社
- 審査が緩い保証会社
審査が厳しい保証会社
審査が厳しい保証会社には、必然的に家賃を滞納発生する確率が低くなります。
滞納確率は低い(保証するリスクが低い)反面、審査が厳しいので、管理会社や仲介会社に敬遠されることがあります。
審査が緩い保証会社
審査が緩い保証会社には、どんな入居者でも審査が通ってしまうため、結果、滞納される確率が高くなります。滞納確率は高い(保証するリスクが高い)反面、どのような方でも審査を通してくれることが多いので、管理会社や仲介会社から重宝される傾向があります。それにより、保証料収入を多く確保できます。
【保証会社のリスク】
・審査が厳しい保証会社→保証料収入は低くなるが、保証するリスクも低くなる。
・審査が緩い保証会社→保証料収入は高くなるが、保証するリスクも高くになる。
最終的にどの保証会社を利用すればよいのか
審査が厳しい保証会社も、緩い会社も、相応のリスクを持っているということには変わりません。
そこで、実際に各々の保証会社が
- 審査に対してどのように考えているのか?
- リスクに対してどのように考えているのか?
を直接ヒアリングし、その保証会社の考え方を確認することが重要になってきます。
保有しているリスクに対して、しっかりとした考え方を持っている、対策を持っているという保証会社を選択すると良いと思います。
また、一つの保証会社ばかりを利用するのではなく、リスクヘッジとして、最低2社以上の保証会社を利用することをお勧めします。